乙一・暗黒童話 感想

読了。
乙一という作家は文章の質が新しい。いや、新しいとか何だとか言うのではなく……うん、説明しよう。人間が作る文章パターンというのはいくつもあるわけだが、大体、それらは先人の使ってきたパターンを使ってるわけである。しかし、ごく稀に先人の使ってきたパターン、文章の指紋のようなものだが、これが今までに発見されていないものを使う人がいる。当然面白いものだけでなく、駄文なパターンもあるのだろうが、乙一は面白いパターンを持っているというわけだ。
小説というか文章の質の問題なのだが、世の中には私たちと同じ単語と文法を使っているのに、なぜか面白いという文章が存在する。それを書けるというのは、完全に才能の問題だと思うのだが、乙一という作家にはその才能があるのだ。
他に、こんな作家はさくらももこ位しかしらない。
この才能のある人物の書いた文章は、何が書かれてても面白い。いや、本人は推敲に推敲を重ねてるのかもしらんが。
エッセイを書いて頂きたいもんである。
しかし、この人のキャラクターに対する感情移入力とエグイ文章を合わせると、実に気持ち悪いものが出来てしまうなぁ。と実感。