空の境界

[excite-imp]
現在、奈須きのこ著作「空の境界」を読んでいる。
奈須きのこ」さんは、同人界最大規模のゲーム「月姫」を出したTYPE-MOONシナリオライターである。
元々は同人小説だったのだが、TYPE-MOONの規模が商用に通じると感じたのか、講談社が一般ノベルとして出してしまったという経緯を持つ小説だ。
で、感想なのだが。序盤などを読んでいると、どうにも小さい軋みを感じてしまう。
小説の完成形がブロックを積み上げたタワーだとしたら、ブロックとブロックの間に細かい隙間が空いていて、タワーの壁面がデコボコとしているのである。
引き合いに出すのは奈須きのこさんに失礼なのだが、リアル鬼ごっこの時にもこの軋みを感じた。まあ、リアル鬼ごっこはブロックが積み上げられているというより、壊れたブロックの山という感じだが。
つまりは、文の流れが微妙に不自然なのだ。現在は中盤まで読んだけれど、私が慣れたのか、作者が乗ってきてぎこちなさが消えたのか、その軋みは感じなくなっている。物語そのものは、まさに「月姫」を読んでいる感触。頭の中で月姫とかFate/Stay NightのBGMが勝手に鳴り響いている。
最後まで読んでいないので物語全体では評価できないが、短編集的な作品なので、一編一編について感想を言うと、可もなく不可も無くというところか。
戦闘描写は熱いけどね。
そもそも、奈須きのこの作品は設定マニアな人に支えられている感じがあり、それが長所でも短所でもあるわけだが、空の境界ではそれが前面に出てこない。
いや、これから深い設定が出てくるのかもしれないが、ともかく作品を全部読まないで感想を言うというのは、感想として成立しないと考えているので、ちゃんとした感想は完読後にまた書くつもりである。
ところで、この「空の境界」。<カラノキョウカイ>と読むのだが、何度変換しても殻の境界と変換されてしまうのは、なんとかならないものか。