音空間の深遠

[excite-imp]
細かい場所を見るには「見たい箇所」に神経を集中させなければならない。
例えば、草原の写真を眺めるだけならばそれは風景だが、草一本一本を見るという意識で見れば草の一本一本を認識できる。
これは絵の場合だが、音楽を聞く場合も「聞きたい箇所」を意識的にピックアップすることで、主旋律から外れたベースなどの普通に聞く分には意識下に残らない音の流れを聞くことができる。
絵の場合は、この現象を利用した騙し絵が存在する。
一見人物画のように見えるが実は野菜の集まりだというものや、老人にも若い婦人にも見える絵などが有名だ。
これは音楽でも同様のことが出来るのではないだろうか?
意識する音質を変えることで、まったく別の音楽に変化してしまう音楽。
または、全体は音楽だが音ごとに追っていくと、それが物語りになっている音楽。
そういう音楽があるなら、聞いてみたいものだ。
話は少し戻るが、「聞きたい箇所」を意識的にピックアップ手法で音楽を聴くと、一曲の音楽はかなり広い空間を持っている。音に空間という表現は変だが、音質によって音を区分しての聞き分けというのは、それを表す言葉が無いので勘弁してもらいたい。この音空間は、特に最近のコンピュータ打ち込み系音楽などでは深い。
この音空間を深く潜って行くと、普通に聞くのでは見つからないようなメロディなどが入っていて、普通に聞くとは別の楽さがある。
気に入った音楽なんかは、こういう聴き方をしてみるのもいいんじゃないだろうか。