涼宮ハルヒの憂鬱

かなりブームに乗り遅れた感はあるが、各所で話題になっていた
涼宮ハルヒの憂鬱」を見てみた。
第一話は、丸ごと登場人物たちによって演じられるメタドラマという大胆な構成。
さらに、素人感を前面に押し出すという一歩間違えば、その「面白くない」という部分を抽出しかねない真似をしながら、時間を忘れさせる楽しさを与えてくれた演出力が素晴らしいアニメだ。
あと、よく動く(特に主人公の涼宮ハルヒ)。これでもかって言うくらい、良質アニメとしてメリハリある動きをしてくれる。日常生活してて、なんでそこまで動くのかというほどである。こういう動きは見ているだけで楽しいのも、時間が経つのを忘れさせてくれるという現象に一役買っているのは間違いない。
ただいまのところ二話までしか見ていないが、ここまでのところでは、先ほど述べた演出力がほぼ全ての比重のドラマという感じがする。本作品の主人公の涼宮ハルヒの勢いある性格も、確かに前面には出てきているが、それは作品の主題ではなく単なるキャラクター付けなのだと思う。
ネットでチラホラ見かけた感想と、第一話の最後の方で猫が喋っていたことから想像するにこれから「非日常」という主題がやってくるのではないだろうか。いまのところは輪郭線だけである。
まあ、ハルヒ他の勢いあるキャラクタの存在自体が既に「非日常」であるから主題抜きでも、これだけ満足感を与えられるのかもしれないが、これからが楽しみな作品である。
ちなみに、これを書いている時点で8話まで出ていると思うのでかなり時代に取り残されている感想だということを付け加えておこう。


追記。このアニメはもしかすると、小説版(原作)と補完関係にあるようなものなのかもしれない。
原作ではモロに出てくる非日常な存在を、あえて輪郭線にとどめて、何か居るけど何だかわからないという線でくるのだろうか。


ていうか、第四話で「あったはずの事件」がまるごと語られないままに、普通に物語が進んでるし!あんたら小説版を買えと言ってるんですか!
ちきしょう、買ってやる。


あれー、第五話。ふつうに「第3話の続き」をやってるよ。
涼宮ハルヒの憂鬱I〜XX」とタイトルについたのをメインとして、
その間に、「涼宮ハルヒの憂鬱」事件後の話をちょこちょこ入れていくという全体構成か!
うおお、斬新なストーリー構成だ。そしてその斬新さを生かすだけの力がこの作品のスタッフには備わっている。やはり小説版は全部終わった後で読んだ方がいいかもしれないと思った、第五話視聴後であった。