ネイチャーアドベンチャー『大神』

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少し前、各所で話題になっていた神ゲー『大神』をクリア。
主人公が神様という意味でも、素晴らしく良く出来たゲームという意味でも神ゲーという、通常狙ってやっても出来ないダブルミーイングを、見事に決めてくれた良作ゲームだった。
独特のグラフィックが話題を呼んだこのゲーム。確かに最初に目に付くのは水墨画チックなグラフィックだが、それに加えてゲームとしてもしっかり、ガッチリと作りこんである。練りこまれたストーリー、動かしているだけで楽しい操作感、筆で絵を書くというシステム。どれも、見事に「大神」という一つのゲームの要素として調和している。
あえて不満を言うならば、アクションの難易度が低めだということだが、これは万人にプレイしてもらうことを考えれば、納得いく難易度だと言える。また、動かすだけで楽しいという感触があり、なぜか戦闘などに飽きがこないので難易度は低めではあるが、楽しめる作りとなっている。
ちなみに、私は一度もゲームオーバーにならなかった。当然といえば当然だが基本的に巧い人がやって生きるか死ぬかというバランス取りではない上に、戦闘中にあるだけなら何回でも回復アイテムを使え、体力0になっても数回は体力フルで復活できるシステム付きなのだ。モンスターハンターのような楽しみ方ではなく、誰にでもクリアできるゼルダのようなゲームだと言える。
ちなみに、画面に絵を書いて特殊効果発動という「筆調べ」だが、これは一見NDS(ニンテンドウNS)にマッチするんじゃないかと思える。が、実際にプレイしてみると筆調べは、一瞬画面を止めて、さっと描いて効果を発動させるという動きになっているため、むしろ持ち替え作業が必要なNDSのペンでは操作性に無理がでてしまうであろう感触となっていた。
なにはともあれ、終わった後に十分な満足感を得られるゲームには間違いない。
安心してオススメできる一品である。
以下、ネタバレ。
エピソードとしては、前半のスサノオ(過去にオロチを封じたクサナギの子孫)が、自らの意思と無関係に大神アマテラスの助けを受けるが、それを迷惑がり自分は無関係でいたいと言い張るあたりのストーリーは非常に面白かった。
それでいて、オロチ退治では自らを奮い起こして妖怪に立ち向かうのが良いです。
オロチ退治後は、そういう葛藤が無くて普通にRPG的な人助けストーリーに傾いたので今ひとつだったかな。
でも、最後のイッスンの決意には、心を動かされるものがあった。
あんな分かれ方をしておいて、自分の使命を果たすなんて、もう反則ですよ。