serial experiments lain ... レイン

http://www.konaka.com/alice6/lain/
なんだか、不思議な感覚のアニメだった。
淡々。その言葉のエッセンスを抽出してネットとワイヤード世界を核とし、アニメとして結晶化させたのがこの作品だと言えよう。
ビジュアル面では、原色に近い色をベースとした独特のアニメ画に、実写的な背景を組み合わせた芸術性の高いものになっている。さらに、表現方法として明暗の極端な強調や、普通にある塀の影の面を宇宙のような描写で塗りつぶす等、特徴的な技法が使われている。
1999年における、近未来、それも本当に近々の未来を描くこのアニメ。
もちろん、その近未来の予想は、カオス的な予測不可能性によって現実とはずれているのだが、丁度2006年である現在はこのアニメの舞台である世界と、平行世界的に重なっている時代だと思う。
この作品内のwebは、現在の現実世界のwebと比べて「薄暗い」。安定したwebサービス(特にblog)の提供する企業と、その知名度の上昇によって、現実世界ではwebの薄闇その大部分が取り払われ、表通りを歩く限り、常に光に照らされていると言っていいものになってきている。しかし、lainの世界では1999年的な明度のまま、何が潜んでいるかわからない薄闇としてのwebが発展しているようだ。それでいて、技術やサービスはそれなりに提供されているという環境はとても興味深い。


主人公は、いつも何かを観察しているかのような目をしている少女、怜音(レイン)。彼女の動作は、活発に動くわけでもないその動作を非常にこまやかに描れており、生きた人物として見せることに成功している。


……現在、一話視聴終了。