日日日「アンダカの怪造学」

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/404481001X/hatena-22/ref=nosim
この天才めッッッ!
いや、本当にどうなっているのだろうかこの人は。とても、一番最初に読んだ「ちーちゃん」を書いた人間と同じ人間が書いているとは思えない性質の小説である。
蟲と眼球」と同じく、世界設定とストーリーラインはとても普通なのだが、
なんというか普通に面白い。感情を大きく揺り動かす場面の筆力は他の作品と同じく、才能という力でしか超えられない別次元の高さにあるのだが、その他の要素は普通に、とっても普通に面白いレベルなのだ。
どのくらい普通かというと、「スレイヤーズ一巻と同じくらい」普通である。いやもう比較する相手が既に普通とかいうレベルではない気もするのだが、庶民的な味という意味では日日日ライトノベル方面に才能を見せると彼と同じテイストになるようなのだ。


ただし、これが入賞しているのを見たところ、もしかして本当はもっと
「ちーちゃん」テイストの生の迫力に満ちていたんだけれど、編集部と協力した
推敲で角が取れてしまっている、という事なのだろうか。
逆に、明らかに「素」のままの「ちーちゃん」が実は計算で書かれていると言われてもとても信じられないが、もしそうならば17歳当時の作品というのは嘘でしょう、叫びたくなる事態だし。