弐瓶勉「アバラ 上、下巻」

読了。
BLAME!作者による作品。BLAMEの中〜後期で揺れていた画風が安定して、作家として熟成してきた感じを受ける作品。
特に、一枚の絵の中で人の目には捕らきれないスピードを描くことについては、世界でも最高峰レベルの画力だと言える。流れていく時間の中でどの1コマを切り取って静止画とするかのセンスが凄いのだ。
上巻でビルの屋上から屋上へ飛び移りながら移動してゆくシーンは読者の注視点の流れまで計算し尽くされた素晴らしい1ページに仕上がっている。


でも、カキモジが一部写植になっていたのは気に入らない。


ただ、物語内容がBLAME以上に難解なのも確か。雰囲気を楽しめということか。
基本ストーリーがNOiSEと被ることから、この人が描きたい物語の原型を透かして見ることが出来る。