Magic 2010 Rules Changes : Daily MTG : Magic: The Gathering

http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/42a近々、マジック・ザ・ギャザリングのルールが大きく改正されるらしい。


以下のルールは2009年7月11日(マジック2010のプレリリースの日)から有効になります。


同時マリガン

まあいいんじゃないだろうか。現実的にはどちらかが先にマリガンをすると宣言するので、手札が微妙な場合はお互い相手を見つめて沈黙するという自体になりそうだが、それもまた駆け引き。

用語の変更

play(カードを使う)と、into play(場に出る)で、playという単語がまぎらわしいから変わるらしい。
日本語版にとっては、とんだとばっちりである。
打ち消し(counter)とカウンター(counter)もそのうち変更されるかもな。

  • プレイする→唱える(cast)、プレイする(play)、起動する(Activate)

これも、play(カードを使う)と、into play(場に出る)の両方にplayが使われていることへの対策。
これについては土地は相変わらずplayするという表現なので、統一性をとった方がよかったのでは。

  • ゲーム外、ゲームから取り除く→追放領域(exile zone)、追放する(exile)

良い修正。
「ゲーム外」はもともと特殊な動きをするカード(《ネクロポーテンス》とか)から生まれて、
その後も同じ理由で使い倒されてたので、現在までのカードたちを考慮した新しい用語に生まれ変わるのは良いと思う。
「ゲームの外(サイドボードとか)」と紛らわしかったのも修正できるし。
ただ、「追放」というのは言葉的に戻って来れないイメージを湧かせる。
先に述べたネクロとかのカードのシステムを実現させるための用途としても合ってないので、もう一つの次元領域にシフトさせるとか、そういうイメージの言葉にした方が良かった。
《永遠からの引き抜き》は、ゲーム外領域を正にそういうイメージで捕らえているし。

  • ターン終了時に→終了ステップの開始時(Beginning of the End Step)

良修正。
「ターン終了時に」と「ターン終了時まで」が別の意味を持ってるなんて、
狂気の沙汰だった。

マナ・プールとマナ・バーン

  • 各「ステップ」の終了と同時にマナ・プールは空になる

フェイズだけでなく、ステップ終了時にもマナ・プールが空になるようになった。
ステップ自体が6版で流れを分かりやすくするために導入されたものなので、これが正しい姿だと思う。

  • マナ・バーンの削除

うーん、これは納得できるものの残念な要素。
トーナメントで間違えてマナを出してしまったが故に負けたとか、暗黒の儀式への返しでオアリムの詠唱を打たれて死んだとかの数々の逸話を生んだルールだけに。
あと、ウルザ土地が余ったマナ処理考えずに使えるようになるな。

トークンのオーナーは、トークンを生んだ能力のコントローラーになる

おk。トークンについては、トークンが持つ能力とかもふくめて大規模に整理して欲しい。もうトークンが生まれたときに与えられる特性は全部印刷された特性扱いでいいっしょ。
あと領域移動したときは状況起因効果を待たずに、ルールによって即座に消滅してもよいと思う。

戦闘ダメージはスタックを使わない

戦闘ダメージステップでは、ステップ開始時に「戦闘ダメージの割り振りと解決」が1つのイベントとして発生するようになった。
これにより、ダメージ割り振り→ダメージ解決のタイムラグが消滅したため、常に「戦闘に参加しているクリーチャー=戦闘ダメージを与えるクリーチャー」になった。
また、同じくタイムラグが消滅した影響で、戦闘ダメージの割り振りを確認後にダメージ軽減や再生を使うことが出来なくなった。
1体の攻撃クリーチャーを、2体以上の防御クリーチャー指定した時、攻撃プレイヤーは「ダメージを与える順」を宣言することになった。ダメージ割り振りでは、致死ダメージを与えるまでダメージを割り振った後でないと次のクリーチャーにダメージを割り振れなくなる。
ただ……、直感では「ダメージを与える順」は防御側プレイヤーが決めるべきではないか?と思ってしまう。「隊列を組んで防御した」という視覚的イメージに上手く結び付けられるし。いや、
「それはバンド能力だろ」という突っ込みが入るのは分かってるんだけどさ。直感的には、
そう思ってしまうんだよ。

接死

接死は常在型能力になる。
前回の状況起因効果のチェック時以降に接死を持つ発生源からダメージを与えられたクリーチャーは破壊される。
(接死自体は、実存みたいな単なる意味の無いキーワード扱いになる?)
これによって、接死を持つ発生源からのダメージで致死ダメージを受けたクリーチャーが、まず致死ダメージで破壊され、その後に接死による効果で破壊されるという現象が無くなる。致死ダメージによる破壊と接死による効果の破壊は1つの効果になるので、1回の再生のみで生き残ることができるようになる。
まあ、接死持ちから致死ダメージを受けた場合は、状況起因効果が「クリーチャーを破壊し、破壊する」というものになるんじゃないか?という気がしないでもないけどケーススタディとして覚えておこう。しかし、


接死を持っている場合、複数のクリーチャーにブロックに関連する新しいルールは無視され、
戦闘ダメージを、それをブロックしているクリーチャーの間で、
それのコントローラーが好きなように割り振ることができるようになります。
ちょっと待て。
さっそく無理が出てるじゃないか、新戦闘ルール。
妙なことは言わずに「接死は新戦闘ルールでは弱体化します」でいいと思う。接死というたった1つの能力を(過去の)イメージ通りに機能させるために、わざわざ特例を設ける必要性が感じられない。

絆魂

萎縮が生まれたことによって正確さが必要になってきた「ダメージ」が正確にルールとして定義された。
絆魂は接死と同じく単なるキーワード扱いとなり、効果はその定義に組み込まれた。1つの能力のためにルールを触るのはどうかと思うが、これについては将来の拡張性のためにも整備しておくべきルールだと思う。


ダメージは2つの手順に従って進められる。
手順1:ダメージが与えられる。ダメージに関する軽減や置換効果はここで適用されます。
手順2:与えられた「ダメージによる結果」が発生する。
    この結果に関する置換効果(ライフやカウンターの喪失等)はここで適用されます。
「ダメージによる結果」は以下の効果を指す。

  • プレイヤーにダメージが与えられた場合、そのプレイヤーはその点数に等しい点数のライフを失います。
  • プレインズウォーカーにダメージが与えられた場合、そこから点数分の忠誠カウンターが取り除かれます。
  • 萎縮を持つ発生源からクリーチャーにダメージが与えられた場合、その点数に等しい個数の−1/−1カウンターを

 そのクリーチャーに置きます。

  • 萎縮を持たない発生源からクリーチャーにダメージが与えられた場合、その点数に等しいダメージが

 そのクリーチャーに残ります。

  • 絆魂を持つ発生源からいずれかのものに対してダメージが与えられた場合、

 そのダメージの他の結果に加えて、その発生源のコントローラーはその点数に等しい点数のライフを得ます。しかし、


「[このパーマネント]がダメージを与えるたび、あなたはその点数に等しい点数のライフを得る。」と書かれている
数多くのカードは、ここ数年の間に「絆魂」と訂正されてきました。この二つの能力は同一だったからです。
今後はこれは異なります。これらのカードは元の表記に戻されます。
……これは戻す必要性が感じられない。
元の表記だろうが「絆魂」だろうが、新米プレインズウォーカーは発生源が場を……おっと、戦場を離れている状態で与えたダメージが、ライフを「吸収」することを期待するはずだ。

全体の感想として、戦闘ルールと接死以外に関してはおおむね納得できる修正だった。
しかし、戦闘ダメージはやっぱスタックに積むという前提でこれまでのカードが作られてきたので、変更して変な歪みを生み出すより、そのままでいいんじゃないかなあ。