小川一水「フリーランチの時代」

読了。小川一水のSF短編集。
自分の持っているパラダイムをガラガラと壊してしまう物語の博覧会!
まさにSF短編集はかくあるべきだと思う姿だ。

フリーランチの時代

ファーストコンタクト……もの?
無料の昼飯などない(by月は無慈悲な夜の女王)、という原則をあっけんからんと打ち破ってしまう痛快な短編。

Live me Me

意識の座をゆるやかに転換させながら。

Slowlife in Slowship

小川一水氏にしては珍しい、「宇宙開拓」時代的な背景世界を持つ物語。
宇宙開発が伸びていた時期ならともかく、現在の現実世界からこういった世界は地続きではないという感じがあるが、作品内を満たすやる気無さが上手い具合に開拓時代との対比を描いてくれていた。

千歳の坂も

Slowlife in Slowshipとは逆に「地続き」の未来から、不死を描く。

アルワラの潮の音

『時砂の王』外伝。『時砂の王』を読んでないと、多分意味が理解できないであろう点は少し残念か。
時代的には、人類史の根元から邪馬台国までの間に当たる物語。