REC2

http://www.rec2movie.jp/
視聴。
主観撮影は事実を元にしたストーリー、という体裁を取るために序盤はゆるい展開となる事が多い。まあこれは普通のホラーでもそうだが。しかし、普通のホラーと違って主観撮影には「酔い」という大敵が居るので緊張感の無い展開は駄目だ。本作は2作目ということを逆手にとって、突然緊張感が最大のシーンからスタートすることでそれを見事に解決している。
主観撮影では基本の撮影者の荒い息もさることながら、周囲を周回するヘリコプターのローターが生み出す定住音を効果音として使っている。またこのヘリコプターは照明効果として、夜間のビルという薄暗い空間に光のコントラストを持ち込む手段にもなっているのが手法として実に巧い。
また「本当に録音された音」だけでなく緊迫するシーンへ心臓音を混ぜてある点、主観撮影が低予算であることを逆手に取ったトリッキーな手法から恐怖を訴えかける1手法として確立したことを感じさせる。演出が「主観撮影」だけで終っておらず、そこに通常の映画でも使われる手法を取り入れることで一段高いレベルになっているのだ。


……と演出には高い得点を付けたいのだが、ストーリーとしては難がある。ホラーとしては正解なんだろうけど描きたい怖いシーンがまず最初にあってそのために物語の整合性は後回しという印象を受けた。本作は前作と違い謎の解明も行われているため、物語としてそこで終わり?と、感じさせる終わり方には少し疑問を感じた。