「ディセント」 - The Descent

視聴。
洞窟脱出ホラー。未知の洞窟という本当に出口があるかすら保証されない絶望的な状況の中、脱出を目指すという舞台設定。舞台設定も素晴らしいが、じょじょに負傷し、消耗していく恐怖と不安の感情を視聴者に移入させてしまうのが、この作品の素晴らしい点だ。そして場面場面に僅かに混じった不可解な物音や、あるはずの無い器具などが、その感情を増幅させてゆく。
また、緊張感の演出が上手い作品は数あれど、本作はその中でも緊張感を視聴していて面白いという感情に昇華させるのが巧いと感じた。
以下ネタバレ。
ただ、怪物が出現した後半からはなんだか普通にモンスターものになってしまうのが残念。恐怖は招待が見えないうちが一番上質だということを実感した。怪物の大群と戦うとか、そーいうのは「2」からでいい。
それはともかくとして、前半の洞窟脱出を目指すパートの絶望感の入り混じった演出は突き抜けて巧い。それだけでも見る価値は十分以上の作品。



突然の事故という形で、視聴者に不意打ちを与えるこのOPは「やられた!」という感じだ。作品への期待感を高め、一気に映画の中へと連れて行かれた。

序盤の閉所恐怖症になりそうな抜け穴で、しんがりの人が進めなくってパニックになったのシーンだが、あれは「駄目、もう駄目よ。だって……『誰かが私の足を引っ張るんだもの』」
と言い残して、ライトの届かない闇の奥に引きずり込まれるとか期待したんだが普通に抜けてしまった。