「リミット」

視聴。
目が覚めると棺の中に閉じ込められていた男の話。男は誘拐犯が連絡用に残していった携帯電話で外部と連絡を取り、脱出のための手を考える。完全に棺の中だけでストーリーが展開するという異色の作品だが、アイディアだけの作品ではなく電話の向こうの人間とのやりとりが緊迫感をもって話を駆動している。
低予算映画であり「その状況に持っていったときに人がどう動くか」をリアルに淡々と描くという点、SAW的な生死のパズルではなくオープン・ウォーターと近い作品だと思った。



ちなみに「リミット」というタイトルは邦題であり、別に作中で制限時間が明確になっているわけではない。原題は「Buried(埋葬された)」。あと日本公開のときに「残り90分の酸素」とか宣伝してたけど、残り時間は全然関係なかった。
電話先で、告げていないはずの主人公の名前を知っているというエピソードがあったが、あの不自然な展開が何かの伏線かと思ったらそんなことはなかった。なぜか携帯がアメリカの911に繋がったりと、他にも気になる点は多い。これは考察すると答えが見えてくるものなのか、単にこの映画のストーリーが甘いだけなのか……。
一番の謎なのは「携帯がつながるということは、せいぜい数十センチの深さだ」というセリフがあったのに最後には棺の中が全て砂で埋まってしまうこと。棺の亀裂から砂が進入してきて死を覚悟してたら、ふともう砂が落ちてこないってことに気付く。上を見ると(棺の上の砂は全部中に落ちてしまって)亀裂から太陽が見えた……というのが、オチになると思っていた。
もしくは、あまりに不自然なことが多いので「実はこれ、大規模な心理実験でしたー」というオチとか。