小松左京「さよならジュピアー」

読了。
太陽圏内に人類がその版図を広げようとしている時代、木星太陽化プロジェクトが進むなか、奇跡的な悪運によって太陽を一直線に目指して突き進むブラックホールの存在が明らかになり、それに対処していくというストーリーラインのSF作品。
30年も昔の作品なのに、いまでも十分に名作と言える作品だった。
ただ上巻はまるまる木星太陽化プロジェクト周りの舞台準備に費やされていて、物語のメインはほぼ全て下巻に収まっている点は少し不満か。ナスカの地上絵から見つかった異星人メッセージ〜木星大赤斑内の古代宇宙船「ジュピターゴースト」関連のエピソードは確かにワクワクさせる導入だが、別に重要なキーになるわけでもなく消化不良感があるし。