イーサリアムがハードフォークしていたメモ

契約をコーディングして強制実行できるEthereumで7月に、アルゴリズムが正義であるという原則を破って、ブロックチェーンの恣意的な強制書き換えであるハードフォークが行われていたようだ。
その結果、イーサリアムは「ハードフォークしたイーサリアム」と「ハードフォークしなかったイーサリアムイーサリアム・クラシック)」に分裂してしまっている。ただし基本的にはハードフォークしたイーサリアムが正式なもので、イーサリアム・クラシックはハッシュパワーの数割程度しか持っていないとのこと。

経緯

2016年06月 『The DAO事件』。イーサリアム上での大量資金を集めていたサービスの脆弱性に対するクラッキングにより大量の資金がハッカーの手に流出する。
      イーサリアム自体ではなく、その上で動くスマートコントラクトのプログラムコードに脆弱性があった。
2016年07月 資金をハッカーの手から取り戻すために、ハードフォークが実施される。
2016年07月 「ハードフォークされなかった」ブロックチェーンを正とした、イーサリアム・クラシックが誕生。
2016年08月 イーサリアムから、イーサリアム・クラシックへの攻撃する計画が立ち上がる。(イーサリアムが分裂すると不都合があるため)
2016年10月 現在、それにも関わらずイーサリアム・クラシックは健在。

それぞれの特徴

イーサリアム

・「ハッキングによる資金流出が無かった状態」に強制更新されている
ハッカーが資産を握っていない
・こちらが正式版ということになっている
・今後、当局の規制に近いかたちの強制更新がされる可能性が出てきた

イーサリアム・クラシック

・「ハッキングによる資金流出があった状態」のままで、強制更新はされていない
ハッカーが大量の資産を握っている(Proof of Stake に移行すると、ハッカーに大きな権限を与えてしまう)
・今後も生き残るか不安がある。それにともなって、こちらの暗号通貨の価値も低くなっている
・「コードが正義である」という原則が守られており、恣意的な操作を今後も受けない可能性が高い