グレッグ・イーガン「ゼンデギ」

読了。
VRシステム「ゼンデギ」で動作する人格コピーのような存在を中心とした話。
ディアスポラ順列都市と違い、それは正確には「コピー」といえるほどのものではなく、脳反応のマップを泥臭く色々な写真を見せる等をしてスキャンし、そこから作られるものもbotスクリプトに追加の人間味を与える程度という割り切り方がが特徴的。
(強いAIのようなものではなく、入力に対して出力を出す程度のニューラルネットワークのイメージに近い印象)
ただ扱われる技術が控えめである点からもわかるように、人間の定義や価値観をまるごとひっくり返すような物語ではなく、そこは物足りなく感じた。