鉄道の終電にまつわるエピソードを描いていく漫画。基本的には現代日本と同じだが「終電ちゃん」という終電の精霊のようなものが存在しており、それが普通に受け入れられているという一種独特の世界観をしている。
終電ちゃんは各路線ごとに特徴的なコスプレをした女の子のような姿をしているが、路線が生まれてからずっと年を取らない存在だったり、運行中に列車の屋根の上で過ごしたり、宝石のダイヤを知らなかったりと「人間のようだが、人間とは違うもの」として描かれておりその距離感が素晴らしい。
雑誌で読んだ時は終電間際のバタバタを起点にした人間ドラマものだと思っていたが、コミックスでまとめて読むと鉄道ウンチク漫画という側面もあることに気付かされて、その意味でも面白かった。