Analogue: A Hate Story

クリア。
調査員である主人公が、はるか昔に飛び立って現在は無人になっている播種船を調査することを目的に船を訪れ、その船の人格AIとともに過去のログ(というか日記)を読み進めて何が起こったかを追っていくアドベンチャー・ゲーム。日本語翻訳は完璧。
ログに残された船内の文化は、女性の権利が軽視された朝鮮王朝時代まで退化しており、独特の世界観のなかで話は進む。
韓国の歴史が下敷きになった世界観だが、クリエイターはカナダ人らしい。
演出はとても丁寧で、相手が実際の人格であるかのように感じさせる細かいテキストが設定されているのが素晴らしい。単にログを読み進めていくだけでない大仕掛けもあり、プレイ後の満足感は高い。
説明しづらいが間違いなくプレイヤーの心を動かす要素をもった名作である。
ただゲーム進行に影響はないが、たまに同じ会話が繰り返されるとか、ウインドウモードを指定していても勝手にフルスクリーンになるとかのバグがあるのは少し気になる。
あとリスタート前も含めてゲーム中に一度は読んだことがあるログにマークを付けてくれる機能がほしかった。



エンディング1,2はHyun-aeルート(最後の選択で分岐)、3はバッドエンド、4はMuteルート、5は少々強引ではある円満エンドなルート。5は多分「文書番号を打ち込んで無理やりログを引き出す」という裏技的な操作をしないと見れないエンドだと思う。どのログを引き出せばよいかは、Hyun-aeとMuteの両方のエンドを見たら必然的に分かる。

「Hate Plus」という続編があり、そちらでは船が朝鮮王朝時代のような文化になってしまった原因とその前の空白の時代の謎を解くというものらしい……が日本語訳されてない。
同作者の「Digital: A Love Story」も日本語化されてるしそのうち日本語化されると信じたい。