少女革命ウテナ

視聴。
輪るピングドラム」や「ユリ熊嵐」の監督である幾原邦彦氏が最初に監督をつとめたアニメ。
1997年の作品だが、繰り返し物語の中で使われる特徴的なシーンや、様式美に至るような演出は2018年の現在でも古臭くなっていない。
絵を動かす技術力などは流石に今の作品とは比べられないが、そこと話数が多すぎる点だけを直せば今の深夜アニメとして放送されていてもおかしくない作品である。



以下は個人的な考察。
物語の構造としては、具体的な内容は語られない「世界を革命する力」を巡るものになっている。
「世界を革命する力」はおそらくアンシーを苦しませ続けている呪いと同じものかそれと表裏一体のもので、何でも願いを叶えてくれる系統の力だと思われる。
かつて傷を負った中世の王子ディオスが多くの民にそれでも戦ってくれと請われたとき、妹アンシーがそれを拒むことで多くの人から憎悪を向けられることで永遠に苦しみ続ける呪いを受ける。
それに付随して「世界を革命する力」や「アンシー、ディオスが(生まれ変わって?)世界に存在し続ける」といった現象が発生して現代に至っている。
「世界を革命する力」を手にするには決闘広場での儀式的な決闘を繰り返す必要がある。
理事長=世界の果て=ディオスは、裏から決闘を操っているが妹を救うことは既に諦めており「世界を革命する力」を手にして世界に何か大きな変化を起こそうとしている。
生徒会メンバーは、世界の果てからの手紙で「世界を革命する力」のことを知り、各々の目的でその力を手にしようと決闘に赴いている。
ウテナは「世界を革命する力」について知らずに決闘を繰り返していたが、幼い頃に苦しみ続けるアンシーを見たことを思い出し、最終的にアンシーを呪いから開放するために最後の決闘を行う。
アンシーは全てを諦めており「世界を革命する力」を手にする儀式に付き合うことを義務のように思っていたが、ウテナが自分を救おうした行為に心を打たれて、自らの義務に逆らって消えたウテナを探す旅に出る。