H・P・ラヴクラフト「天涯から来たる色(宇宙からの色、異次元の色彩)」

https://www.aozora.gr.jp/cards/001699/card58044.html
https://www.youtube.com/watch?v=QcJfVrxyX8A
読了。
アメリカの田舎に落ちてきた隕石に含まれていた宇宙生物による生態系汚染を描く作品……ということになるのか?
ラヴクラフトらしく宇宙生物といっても怪物が直接的に描かれることは無く、地球には無い色が周囲の動植物に広がっていくという現象を通じて恐怖が描かれている。
その現象が生物的なものだということはおぼろに分かるものの、慣れ親しんでいる地上の生き物とは全く違う在り方をしており人には理解できないという部分に不気味さを感じさせる。
また人知の及ばない異界としての宇宙が、空という薄皮一枚の向こうに広がっていることを恐怖する描写が何度も出てくる。



https://twitter.com/Kareha_egrm/status/843501991347159041
タイトルで"宇宙"ではなく"天涯"という単語を使った試みは、クトゥルフ神話における宇宙を表すのにうまく成功していると思う。

クトゥルフの呼び声TRPGではこいつも独立種族としてデータ化されて、どういう生態の生き物なのかを無理やり定義されているがさすがに無粋に思う。