Paper Beast

クリア。VRゲーム。
砂漠が広がる大地に奇妙な生物たちが住まう電脳世界を探索するVRアドベンチャーゲーム
昔たまにあった流体シミュレーションのように、砂漠に土を追加/削除したり水を注いで河のような流れが発生する仕組みと、それらに影響を与える動物たちを使ったギミックを解いていく謎解きアドベンチャーである。
動物たちは生き生きと描かれ、草食動物はプレイヤーの持つ餌を欲しがって寄ってきたり、捕食者は草食動物を狙ったり、それぞれが意思を持っているかのように行動するので、それを見るだけでも楽しい。
ストーリーは明確なものがあるわけではなく、奇妙な世界をさまようといった感覚のものだが世界観に圧倒され続ける。
地形そのものに干渉できるのも世界のリアリティを大きく上げる効果を持ち、VRとの相性がいい。
独自の体験を得られる名作だと思う。



アドベンチャーモードの他にサンドボックスモードというのがあって、こちらは箱庭的な世界に好きに植物や生物を配置してそれに眺めたりちょっかいを出したりして楽しむモードになっている。
クリーチャーはただ歩いているだけではなく、それぞれがアドベンチャーモードでは描かれなかった独自のライフサイクルを持っていて、例えば草食動物は草木を食べたエネルギーを樹に集めて一定のエネルギーが集まるとその樹から新たな草食動物が果物のように実るという繁殖をおこなったりする。もちろん本編でもあった動物同士の捕食関係もある。
単なるオマケと言えない面白さがあるが、ただ動物の種類がそんなに多くなく(本編のみで出現する動物も居る)、存在できる上限数の制限もあるので飽きは早いかもしれない。

アウターワールド(原題は Out of This World または Another World)」の作者の新作ということだが、このアウターワールドはというのは1991年に発売された横スクロールマリオ視点のアドベンチャーゲームである。
最近発売したオープンワールドゲーム「Outer Worlds」ではない。