進撃の巨人「イルゼの手帳」の真相について

「イルゼの手帳」は進撃の巨人第5巻に収録された1エピソードであり、壁外で巨人と言葉を交わしながらもその後死亡したイルゼ・ラングナーが遺した手記をもとにした話である。
以下ネタバレ。
おそらくイルゼが遭遇した巨人は、かつてマーレ国に存在したユミル教団の教徒のひとり。
ユミル教団は始祖ユミルの生まれ変わりとして「そばかすの少女ユミル」(104期生)を信仰していたが、マーレ国に危険思想集団として摘発され、教団員は無垢の巨人にさせられた上で進撃の巨人の舞台の島に放逐されてしまう。
巨人はイルゼの容姿(黒髪・そばかす)が「そばかすの少女ユミル」と似ていたことから、イルゼを信仰対象であるユミルだと誤認して平服するような行動をとったのだと考えられる。
とは言っても知性が無い無垢の巨人なので、その後すぐイルゼを捕食してしまうわけだが。
ちなみに無垢の巨人が言葉を発したり巨人化する前の人格をもとにした行動をとることは稀だが、コニーの母親など他に例が無いわけではない。
まだ序盤である5巻の時点で描かれる「なんかよくわからんが重要そうな事件」にもこうしたしっかりとした回答が出せるというのが、進撃の巨人と凡百なパニックアクションを大きく隔てている点だと思う。