小川一水「不全世界の創造手」

読了。
自然界の土などを材料にした自己増殖機械をつかって世界のありようを変えようとする物語。
とは言っても登場するのは、自己増殖というのは自身を構成している駆動部品を自前で作れるというだけで電子部品などはもともと用意されたものを利用しなければならないという制約がある、現代から少しだけ先に実現できるかもしれない自己増殖機械だという点が面白い。
世界の有り様を変えるというのも根底から全てを変えるといったものではなく、機械を使った生産性の高さを次のレベルまで引き上げるという地に足がついた題材。
いくらでも発展できそうなネタだが、技術的にはまだ先がありそうなところで終わっているのは少し物足りなさを感じるか。