マクタガートのパラドックス、A理論、B理論

https://en.wikipedia.org/wiki/The_Unreality_of_Time
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19~20世紀前半の哲学者 John McTaggart の著書「The Unreality of Time(時間の非現実性 )」で述べられるパラドックス

■1. 時間のとらえ方には、A理論、B理論と呼ばれる2つがある

A理論

出来事は未来、現在、過去という地点に順に移動していく。未来と過去には幅があるが、現在には幅が無い。
出来事は、あるときは未来にあり、あるときは現在にあり、あるときは過去にある。
これにより変化が表現できる。
反論:これは「変化で変化を説明する」という循環論法であり、なんの説明にもなっていない。

B理論

出来事は未来、現在、過去の順に並べられるだけである。
過去や未来は、解釈によってさまざまな現在を表現でき、変化を表現できる。
永久主義、ブロック宇宙論とも呼ばれる。
反論:B理論では過去から未来にイベントが並んでいるが、過去から未来というものを決めるにはA理論を前提とする必要がある。

■2. A理論はB理論より「基礎的(fundamental)」である

想像だがおそらくこれは「成長するブロック宇宙論」をイメージしていて、B理論の出来事の積み重ねはA理論によって組み上げられなければ存在し得ないという主張なんじゃないだろうか。

■3. しかし前述のようにA理論は「変化で変化を説明する」という循環論法である。

以上の1~3により「時間」や「変化」があるということは否定される。
しかし実際には「時間」や「変化」はある。
これはパラドックスである。

■ B理論に対する自身の補足

別にB理論のブロック宇宙はA理論に依存して「組み上げられる」必要はなくて、最初から存在しているだけとしても問題ない。
マクダガートは「過去」方向から「未来」方向に順序だってイベントが並べられる必要がある、と考えたようだがこれに関してはA理論を前提とする必要はない。
塵理論で示されるようにイベントは「過去から未来に並んでいる」必要すらなく、ブロックに含まれる意識がイベントを過去や未来だと解釈できればよいだけである。



またB理論には「現在」を決める基準は無いが、これは「客観的に1つに定まる『現在』が必要がある」という誤解があるから問題に思えるだけで、どこを現在と解釈するか次第で現在が決まるだけだとしても矛盾はない。

ブロック宇宙のイメージとして「メタ時間が流れる超空間があって、そのなかに四次元ブロック宇宙が始終おなじ形で存在する」と考えるのは誤りである。
そのようなイメージはA理論と同じ「変化で変化を説明する」のバリエーションであり無限退行に陥る。
ブロック宇宙のイメージとして正しいのは「ブロック宇宙というというデータ列である」というものだと思う。
データ列は変化という概念がないし、最初から存在している。例えば(1,2,3)というデータ列は、どこからか生まれたりしないし変化したりしない。
(0,1,2)に+1して(1,2,3)を算出したとしても、それは(1,2,3)を発見しているだけで存在しなかった(1,2,3)が生まれているわけではない。