http://www.amazon.co.jp/dp/4797345314
一言で言って、1巻〜3巻はこの作品を書くための舞台設定を整えるために存在した、と言っても過言ではない作品。
というと、ちょっと評価が偏りすぎかもしれないが、ともかく私好みの日常生活的短編集が本作である。文章そのものの質としても、4作目ということもあって安定した楽しさが伝わってくるものになっている。
さて本作の内容だが、魔法が存在する現代日本と言う世界に加えて、これまでのシリアスな話で生まれたちょっと特殊な人間関係なんかが上手く絡み合って、上手い具合にキャラクターの性格を楽しむことが出来る作品に仕上がっていると思う。大西科学という作家はシリアスな話よりも、こういうった日常話をちょっと面白く書くほうが向いている作家なのではなかろうかと思う。いやまあ、大西科学=ジャッキー大西氏はもともと雑文書きなので当然なのかもしれないが。
そういうわけでもし別シリーズが立ち上がるなら、最初からそういう方向でー……とも思ったが、寧先生との対決やらなんやらがあったからこそ、今の日常があるわけでやはりシリアス話もあってもいいかもしれない。
あと、絵師の銀八さんの絵も今回はとても好評価である。これまでの作品の挿絵ではどうも、ジョン平が犬として骨格がぶれているように感じさせる描き方がされていた。だが、本作はそのあたり上手く描いてある。アクションシーンが無いから骨格とか気になるような絵が出てこなかったという事のもあるのだが、おのおのの使い魔が上手くデフォルメされた置物という感じで表現されているのだ。
評価は分かれるだろうけれど、私はこっちの表現が好き。
たくみかわいいよ、たくみ。
重の文化祭後には、ご愁傷様と言うしかない。榊さんファンクラブとかありそうなので、リンチにされないか心配だ。