hacknet

クリア。
CUIターミナルにunixっぽいコマンドを打ち込んでサーバをハッキングしていく、スーパーハッカーごっこができるゲーム。
前から興味があったが最近日本語化されたのでプレイしてみた。ちなみに日本語化のクオリティはそれなり。不自然な点が全く無いわけではないがユーモアはうまく翻訳されていたりする。
自分で打ったコマンドで、映画でありそうなハッカーっぽい演出が表示されてセキュリティを突破していくのはちょーたのしい。コマンド打ち込みが基本とは言え、実際にはサーバ選択やファイル検索などはGUIで出来るので、コマンドを入力することがストレスにならないように工夫されている。



ストーリーとしては、とある陰謀に巻き込まれたハッカーからメッセージを受け取った主人公がそのハッカーが残したメッセージに従ってハッカーコミュニティに入団していく、というもの。
入団後はコミュニティの仲介する様々なハッキング依頼をこなしていきながらストーリーが進む。

「こんなハックが出来そう」と思ったことがゲーム本編に関係なくても実際に出来たり、実際にiOSで使われてるデフォルトパスワードが出てきたりと、ニヤリとさせられる。
できることを自分で見つけることも、このゲームの面白いところでもあるのであとはネタバレ。
・クッキークリッカーっぽいゲームを運営してるサーバがあってスコアを自分で書き換えられたり
・webサーバ内のhtmlファイルを書き換えれば、webページを書き換えられたり
・メールサーバをハッキングして他人のメールを覗き見たり
・テーマ的なファイルが置いてあり、それを置き換えると実際にレイアウトが変わったり
・依頼サーバのユーザランクを自分で書き換えられたり
・本文が正規表現のメールを書いてる奴がいたり
・重要ファイルを削除されてシステムが落とされたあとの復旧をCUIのみで行わされたり
……と色々出来て面白い。
あと、最初にチュートリアルでやったことが後からストーリー上の伏線として働くという演出はエレガントだった。

それと凄い苦労した割に正規の方法では侵入できないってのが正解だったのでここに書いておくが、"CCC Hacksquad Filedump"というやたらトレースが速いサーバがある。
そいつは本来ハックは出来ない設定になっているが、バグを利用することでハッキングすることが出来る。
その方法はいくつかあるが一番わかりやすいのが、SecurityTracer.exeを使うこと。SecurityTracer.exeを実行するとトレースされている状態になるが、この間にサーバにハッキングを仕掛てもトレースは上書きされない。つまりSecurityTracer.exeを実行している間はあの「やたら速いトレース」を無効化できる。そのうえ、SecurityTracer.exeによるトレースはプロセスをkillすれば好きなタイミングで止められる。
つまりSecurityTracer.exeはストーリー終盤に手に入るTraceKill.exeを完全に上回ったトレース遮断ツールなのである。
それを利用すれば"CCC Hacksquad Filedump"に侵入することができるのだ。(大したものは入ってないけど)

DLCの拡張パックLabyrinthsで、まさかゲーム実行をしているマシンのコマンドプロンプトを開いて「ゲーム中と同じような」ファイル操作を要求してくるとは。
ちょっと怖いけど、ゲーム世界と現実世界の境界線を破壊してくるような演出のアイディアが素晴らしい。そして本物のコマンドって超便利。

ハッキング部分のゲーム性としては限られたメモリ量×時間という2次元時空の中に、いかにハッキングに必要なコマンド実行を収めるかというパズル……が出来るシステムにはなっているのだが、実際には適当な順にコマンドを打っていくだけで突破できるサーバばかりなので、パズル的な思考が要求されることはほとんど無い。