パニックルーム Panic Room

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000066I54/249-5069277-1654722
「パニックルーム」という緊急避難用の小部屋がある一戸建て屋敷に、パニックルーム内に隠された遺産を狙った強盗が押し入り、そこでパニックルームをめぐる攻防が繰り広げられるという話。
一戸建ての屋敷内のみという閉鎖空間で展開する物語といい、パニックルームという日常の中にひとつだけ混じった非日常的存在といい、非常に私好みの映画……のはずなのだが、なぜか夢中になって見ることが出来なかった映画。
なにが理由かはっきりしないのだが、夢中にさせるキッカケみたいな、その1シーンだけで観客を黙らせるシーンのようなものが少なかったことや、全体的に夜を舞台にしていて照明が無い状態でストーリーが進むので状況を理解するために、ある程度理解しようという意識が必要だということがあげられるのではないかと思う。



ていうか、犯人側と主人公側がそれぞれ全力を尽くしてない感が常に漂ってたのが、面白くない原因かもしれない。
まず主人公側。序盤にパニックルームに逃げ込んだんなら、あとは普通に朝まで待てばいいのになぜかそれを一言も口にせずに、必死に助けを呼ぼうとしている。警察に電話がつながったときも住所だけ説明して、あとは夫に電話かけたりしてるし。
犯人側も、娘を人質にしていながら全然それを活かしたことをやらないし、もっと巧妙に出来ただろうという点が多数見られる。

映像技術的な面では、多分CG効果だと思われるが、カメラ視点が寝室からシームレスに階段や台所などを抜けて窓の外にまで移動する効果が奇抜だった。
あとオープニングで、主要スタッフ、出演者をテロップする手法が、ビルの谷間にCGで3Dの文字を3次元的に配置するという方法で、カメラの角度変化とともに文字が「空中に配置されていること」が判り、すばらしい非現実感を出していた。