http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334741169/hatena-22/ref=nosim
多くの作家による短編集という形のせいか、どうも知りきれトンボのような作品が多いという感想を持った。
いや、短編集という形というのは言い訳にはならない。そもそも、作品構成として特に意味は無いが進化論っぽい学説を書いておいて、それにちょっと関連がある怪異がオマケのように起こる、もしくはその逆、という構成は果たして主題を決めている意味があるのだろうか。
そして、それは恐怖を感じさせるのに有効な手法なのだろうか。
中には、素晴らしい作品も混じっているが、ちょっとと思う作品率の高い短編集だった。
以下は、良かった作品の感想。
魚舟・獣舟
異世界を土台からがっしりと描くという意味で、SF。異形を描くという意味でホラーな作品。
うしろへむかって
恐怖を描くためのタネの発想が素晴らしい。他の作品のように無理に科学的説明を入れていないところが好印象。
書樓飯店(しょろうはんてん)
妙に進化論に拘らずに異形を描いたという意味で勝利。
楽園の杭
これはSF好きとして推すだけで、進化論関係ないじゃん。怖くないじゃん。といわれたら引き下がるしかない。