読了。
浮船に関わる原理や用語、そして浮船があるという異世界を描くことに重きの置かれたのが1巻だとすれば、それを踏まえた上での物語を描くのをメインにしたのが2巻だと言える。
浮珠を割るという最後の切り札によってダイナミックな挙動が可能な鳥雷鯱の戦闘シーンは、一種独特の雰囲気を出しつつも手に汗握る緊張感あるものになっていて素晴らしい。
しかし、大局的な戦略としては日本が不利過ぎになってないだろうか。2巻だけで2艦も巡鯨失ってるし。
クニの父親の仇である「赤印の襲撃鯱」と一戦を交えるも決着とはならず、まだまだ先の展開が楽しみであるシリーズ。
ところで……。挿絵での槍次の扱いが酷すぎないですか?
2巻で登場するメインキャラクター4人のうちの1人で、1巻ではメインキャラクター3人のうちの1人だったにも関わらず、いまだに槍次がマトモに描かれてる場面が無い気が……。
あとがきがとても良い。
このシリーズで軍用浮船を表す漢字「鯨」「鯱」についての裏設定。なんか、雑文サイトの方の大西科学の1つのネタになりそうな話だ。
ちなみに、(多分既に知ってらっしゃるとは思いますが)少なくともwindowsでは外字機能はありますよ。