かじいたかし「僕の妹は漢字が読める」

読了。
漢字が一般に使われなくなり、萌え文化が「正統派文学」となった23世紀と現代である21世紀の両方を舞台としたタイムトラベルもの。
……なのが、勿体無い。実に勿体無い。なんでそのセンス・オブ・ワンダーな世界観をドタバタ時間旅行コメディの前振りにしてしまったんだあああ。
ライトノベル的な文体を上から目線で眺めつつ、現在の「正統派文学」も明治などの時代から見れば同じだと暗に示すこの世界観は本当によかったんだが……、メインストーリーは普通にタイムトラベルもの。
悔しいが山本弘が「つーか、この設定だけくれ! 僕に書かせろ!」と言うのも少し納得してしまった。(まあそれは反則だと思うし、本人も判って言ってるんだろうが)