ハル・クレメント「20億の針」

読了。
地球に降り立った寄生型地球外知性生物の「犯人」を探すために、同じ種族の「捕り手」が宿主の少年とともに犯人を探る推理SF。タイトルは、1950年時点の世界人口である20億人のうちの誰かの体内に潜む犯人を探るという意味(まあ実際は早い段階で数百人、その後一桁台に絞られるんだけど)。
少年と彼の体に同居するパートナーである寄生生物というシチュエーションは、寄生獣を思い起こさせるが、こちらは推理というか調査を重ねて犯人を特定していくという趣の作品。また「捕り手」が少年に寄生してからコミュニケーションを取れるよう試行錯誤していく段階もきちんと描かれており、その部分もSFとして楽しめた。



ただ翻訳は異様に句読点が多かったりと、かなりクセがつよい。まあ慣れればあまり気にせずに読めたけど。