伊藤計劃x円城塔「屍者の帝国」

読了。
19世紀末のロンドンから始まる、フランケンシュタインを生み出した技術が発展して多くの「屍者」が単純労働者として利用されはじめた時代の物語。ガンで亡くなった伊藤計劃の遺した序章の原稿を、円城塔が引き継いで描ききった作品である。
伊藤計劃の「The Indifference Engine」に収録されている「From the Northing, With Love」と多くのモチーフが共通しており、「エモーション」と対比される展開もあわせて伊藤計劃の遺作として十分に納得できる作品に仕上がっている。