ゼルダの伝説 ティアーズ・オブ・ザ・キングダム

クリア。ラスボス撃破まで85時間。
BotWは行動のアイディアを実現できる世界を創り上げ、TotKは製造のアイディアを実現できる世界を創り上げた。
ブレスオブザワイルドの続編となる作品で基本システムは踏襲しながらも、物理演算によるアイテムビルドやオブジェクト時間巻き戻しなど意欲的なアイディアを盛り込んでいる作品。
ボリュームが巨大なのにシステムがしっかりしており、全体的なクオリティが非常に高い。
コンテンツ量はSkyrimを思わせる密度で手軽な攻略が楽しめる洞窟が無数にあり、町に足を踏み入れるとクエストがわんさか飛び込んでくる。
物理演算が荒ぶらないウルトラハンドや、数値だけでなくアクションに影響する射程や特性まで変化するアイテム合成のスクラビルド、あらゆるオブジェクトの移動を戻せるモドレコが凄いのは当然すぎるのだが、天井を貫通して上に移動するトーレルーフも実は革新的である。
最初は「なにこの謎解きのために、取って付けたような能力」と思っていたが、一度降りてしまったら足場がないと戻れない問題を解決し、謎解きだけでなく、リレミト操作や、単純な壁登り時間節約など幅広い活用法ができる冴えたやりかただった。
おそらく今頃SkyrimでトーレルーフModが開発中だろう。
ただ、メニューの大量のアイテムから目的物を探すのが微妙に面倒だったり、戦闘やアクションで仲間がカメラやボタン操作を邪魔するくせに必要なときに話しかけようとしても捕まらないかったり、広い空間にカメラを向けるとちょっとFPSが落ちたりと、完全無欠なわけではない。
今回はビルド要素強めだし上の弱点面もあって、BotWのときよりModが欲しいなあという思いを強く感じた。
あとは単純にカメラが自分に合わなくて最初酔っていた。モンハンに慣れてるので最速設定よりさらに早くカメラを回したい。
またそういう作品じゃないという一言で片付くのだが、無限に瞬間回復アイテムが持ち込めたり、そもそも後半はハートが過剰になったりするので自分で縛らないと戦闘はヌルイ。
以下ネタバレ。
ストーリーも王道ゆえに予想通りだった前作からタイムトラベルものという複雑さを持つものになり、物語構造として面白いものになっている。
最後にご都合主義で、ゼルダは人に戻りリンクはラウルの左腕を失って「デフォルト状態に復帰」をさせたのは、シリーズ次作が作れるようにという制作側の都合を感じたが。