うえお久光「悪魔のミカタ666」

別に666というのは巻数というわけではない。獣の数字ということで2学期編の頭につくシリーズ名の接尾語的なもののようだ。
13巻で予想した通り、「ザ・ワン」の魂は反則的なエネルギーを持っていたようで、主人公の目的である知恵の実《It》に必要な魂の量は集まり切ってしまったようだ。半年も経たないうちに集まったということで、他の歴代「悪魔のミカタ」の中でも異例の速さということになるらしい。
しかししかし、そこで簡単に願いがかなってしまっては話が終わってしまう。どうやら魂集めというのは知恵の実《It》を使うための1つの条件ということで、今シリーズからはあと2つの条件をいかに埋めていくかという話になるようだ。
1巻当初は魂集めという名目の元に、不思議アイテム殺人事件を解く探偵シリーズになるかと思われたが実際に話が進んでみると、実にいろんなジャンル(ボクシングから銃撃戦から知恵比べから過去の神との対決話まで)がごったまぜになったシリーズになってしまった。
今後も展開も安定しないと思うのだが、逆にそれを楽しみに待てる人たち(私も含む)には期待を持ってよいシリーズだと言えよう。