新本格魔法少女りすか

どこぞから青空文庫書式で1話を手に入れてかなり面白かったので、1〜3巻(1巻に3話収録されている)を買って読んでみた。
現在のところ未完結で以下続刊。


一般人の主人公が知恵でもって魔法使いを打ち負かすという展開がなかなかに熱い。荒唐無稽な事柄を現実化させることが出来る魔法でも、それらは何らかの法則にしたがって働くものである以上、その法則の隙間を突いて打ち破ることが出来る、というのが本書の基本方針のようだ。
魔法という題材を使ってはいるが、ある意味トリックを暴くミステリーの王道的なストーリーだといえるかもしれない。
ちなみに、よくジョジョの奇妙な冒険のような能力バトルとして紹介されている文を見るが、個人的にはそれとはちょっと違う気がする。ジョジョは奇妙な状況に置かれた上で度胸や覚悟のようなものによってその謎解きをするが、りすかはもっと敵の能力から勝てる手段を考え出した上で戦いに望む。(戦いの場そのものは、トリックの種明かしに近い)
この手法、主人公の性格もあってなかなか面白いので以降の展開を楽しみに待ちたいと思う。


りすかって名前はカッターナイフで己を傷つけて魔法を発動するという設定から見ても、リストカット→りすかという発想でつけられているのだろう。