西尾維新「ネコソギラジカル」

上巻:十三階段。
中巻:赤き征裁vs橙なる種。
下巻:青色サヴァン戯言遣い
読了。
これはこれまでの巻もそうであったが、シリーズが完結したところで物語の全てが描かれるわけでもなく、あえて描かれない歯抜けの構成がストーリーに想像する余地という形で上手く広がりを与えている。
西尾維新にとって「戯言シリーズ」は原点であると共に、描きたいものの骸形ではないかと感じられた。
そのうち真・無責任艦長タイラーみたく、ベースラインは同じままで新たな解釈をしたシリーズとか出そうな感じだ。


これにて、戯言シリーズ全巻読了。あとはスピンアウトした零崎シリーズの「人間ノック」を読めば既刊の戯言関連はコンプリートだろうか。
続けて読みたいものとして、化/傷/偽物語をwishリストに入れるとしよう。


半分くらいは西尾維新文庫で読んだのだが、元々2段組の行の文字数を強く意識した詩のような表現を1段組にしてしまうとページの下半分真っ白になる、という現象が起きるので1段組に変更するのはいかがなものかと思う。