KAKERU「天空の扉」

読了。連載中。
ドラゴンクエスト」シリーズと、特に「ダイの大冒険」のドラゴンの騎士オマージュっぽい設定のファンタジー作品。この作品では人間に裏切られた竜人族の男がそのままラスボスっぽい立ち位置に居る。また、最上位の魔法が「極大」魔法であったり、後半に地、海、空を技名に組み込んだキャラが出てきたりとニヤリとさせられる。
漫画として単純に面白く、1話1話ごとに先が気になる展開をしてくる。特に納得度が高い世界設定が魅力で、魔法やモンスターなどを無理なく1つの惑星上に配置して「勇者と魔王」の世界を作っている。あとがきに書いてあるが「何で兵士より弱い勇者をヒノキノ棒で旅立たせるんだ」とか「メラとかヒャドとかリアルに考えたら射程がある分、剣よりかなり強いよな」とかのツッコミをぶち込んでまとめ上げた設定らしい。魔王が勇者に「軍」をぶつけなかった理由や、反則的な技術を持っている民族が作った現代相当の銃であれば、誰でも使える銃のほうが強いといった設定も素敵。
また、主人公が敵と戦う職業の人間ではなくドラクエで言うルーラ的な魔法の専門家であるという設定も面白い。遠方へルーラ的な魔法で移動するためには地球の曲面まで考慮した行き先の距離と方角、そこから宇宙弾道軌道の計算などが必要であり、専門家された職人にしか使えないという設定になっている。
人間に裏切られたかつての勇者が敵というある意味メジャーな変化球作品だが、その変化球なところを抜きにしても十分な魅力をもっている漫画だとおもう。



ちょこちょこエロや、人語を解する雑魚モンスターに対する酷する扱いを挟んでくるのでそれが不快な人は居るとおもう。