映画大好きポンポさん

視聴。
杉谷庄吾(人間プラモ)の漫画「映画大好きポンポさん」を映画化した作品。原作も完成度が高い作品だったが、映画版も凄い作品に仕上がっている。
色のついた輪郭線を際立たせるような「影中実線色トレス」と呼ばれる独特の映像技法、漫画をそのまま映像化しただけではない動画だからこその演出、原作をうまく噛み砕いて再構成された物語構成と褒めるところが尽きない。
漫画の一作目を完璧に映像化した、これは満点だ!と思わせたところから、さらに熱い追加エピソードが展開されていくこともあり、完璧の上を行ったと言える作品だと思う。
ちなみに追加部分はあまりに「それらしい」展開だったので原作者がプロットを書いたのかと思っていたら、どうも新キャラの原案を出した以外全くタッチしていないらしい。
あとこの映画自体が90分で収められており、下手すれば寒い自画自賛になってしまう作中の「僕がこの映画で一番気に入っているのは……上映時間が90分ってところですかね」というセリフも大納得できるものになってる。
あまり話題になっていないが、これはもっと評価されるべき名作アニメ映画。



追加部分の展開でちょっと流れが不自然かなと思うところが無くはないが、それを上回る勢いと演出でねじ伏せらてしまう。
あと登場人物たちの「好きな映画3作」が無いのはちょっと残念か。アニメ化であれば確実にアイキャッチに組み込まるだろうネタなんだが。
フランちゃんがちらっと出てきたりしてた。
劇場特典で原作者の描き下ろし漫画が付いてくるのも嬉しい。

「ポンポさん2」ラストのセリフや、ジーンくんがペーターゼンさんに名前を覚えてもらった「ポンポさん3」も見たいいので、ぜひこのクオリティで映像化して欲しい。
あと原作も毎回「これで完結」と思って描いているようだが、今回の映画を見て「ジーンくんが当て書きシナリオを書く」ってエピソードはぜひ見たいなあと思った。