大場つぐみ・小畑健「バクマン。」

読了。
デスノートの作者コンビが送るジャンプ連載漫画家を主人公にした物語。
本作自体の制作体制とおなじく原作・作画の二人が主人公となっている。
編集がどんな漫画を連載していくのかというような内容が中心になり、週刊少年ジャンプの内部事情が本作自身にも適用されるのは面白く、その意味では「BLUE DRAGON ラルΩグラド」を短期打ち切りされてしまったという大ポカすらネタになっている。
とはいえ自画自賛の作中作を出さざるをえない構造はどうなのかとは思う。結局のところ主人公にとって正解となる作品がデスノートにたどりついているし、作中作の内容を描かないならいいけど、これが神作だとされるマンガの内容を掲載しちゃっていて、それが実際とびぬけて面白いマンガかと言われると疑問なのはどうかと思う。
あとコミックスには、原作大場つぐみ(ガモウひろし)のネームと作画小畑健のネームが両方載っているのだが、内容は同じなのに漫画として伝わってくる魅力が段違いなのは見せ方でここまでかわるのかということを実感させられる。
あとこの作品は2010年代初頭の作品なので、時代が変わって作中の前提が覆っているのも面白いところ。
2020年代では、犯罪と銘打った作品「PCP -完全犯罪党-」も余裕で深夜枠アニメ化さそうだし、ジャンププラスで週刊少年ジャンプの誌風に合わない才能が日の目を見る環境も出来ている。