Void Stranger

クリア。リザルトが表示される真ENDまで。
Voidという地下深くに続く迷宮を舞台とした、地面タイルを取って別の場所に配置できる杖を駆使する倉庫番パズル。
「ただのパズルではない」として、人を選ぶという注釈付きで評価が高い。
これからプレイを開始する人はWin+Gでゲームプレイをすべて録画しておくことを強く推奨する。
以下ネタバレ。
実際は倉庫番パズルと思わせておいて、迷宮を何度も巡って世界の謎を解いていくゲームである。
迷宮のギミックや隠しフロアを見つけながら進められていくストーリーテーリングが見事。
意図的にゲームのルールの枠を超えてくる演出と謎解きも素晴らしく、最後のシューティング面などは単体でもタイトルとして成立するクオリティである。
ゲームボーイライクなグラフィックながら採算を度外視した作りこみと、とても万人には勧められないプレイ要求の高さという、インディーズでないと成立しえない作品だと思う。
ただVoidの探索と発見という「真のゲームプレイ」に入るための導入に難がある。
Voidに繰り返し潜って謎を解くタイプのゲームだと最初は知れないので必然的に「一度は解けた倉庫番パズルを再度やらされる」という"ゲー無"をプレイする羽目になったり、ストーリーがフレーバーではなく謎解きに必要な情報ということが後から判明して情報をメモってなくて後悔するというのが無駄なストレスになっている。
平均50時間以上というプレイ時間要求にそういった虚無な時間がけっこう入ってはいるが、世界観・システム・ゲームジャンルなど様々な「枠」をぶち壊しながら稀有なプレイ体験が得られる作品というのは確かだ。
ただこの作品、ゲームとしての真ENDを迎えても物語の全貌がまったく明らかにならない。物語を完成させるための不足ピースを想像で補ってこれがどういう話なのかを考察することがVoidStrangerの最後の章であり、作者はそれを要求している気がする……。



OuterWildsも似たようなストーリーテーリングをしていたがあっちはちゃんと物語の完成図が作れるほど情報が用意されていたのに対して、VoidStrangerは手持ちのピースで絵が完成する気がしないという意味でThe Witness寄りか……。

迷宮を進む難易度はアイテム入手やスキップ発見で緩和されるのだが、それらの存在すら知らずに高難易度ステージに突入してしまうとほぼ詰みとなる。実際私はそうなって一度ゲームデータ削除して最初からやりなおした。

まだゲームの枠組みを理解してなかった頃は、画面色設定の"Gray"を他に変えたときの色が"X***"とかなので、それらが実はそれぞれがX***編みたいな主人公の名前なのかと思ってたけどそんなことは無かったぜ。
……なかったよな?(何か仕掛けがないとは言い切れない)

謎解きが深すぎて、日本語パッチのバグでエラーダイアログが出てきたときや、キーボードの故障で主人公がひたすら壁を殴り始めたとき、最初そういう演出だと疑わなかった。

Eusの碑文は解き方は理解してたのに答えが出なかった。というかネットでズバリの正解を確認してもそうならんやろという感想。
あと「メニューを開くと石像が移動する」という謎のギミックが突然出てくるのは流石に許せない。