魔法少女リリカルなのは(無印) 感想

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うわー、もう非常に綺麗な終わり方をしてくれたアニメだった。
普通の深夜1クール放送のアニメというと、アイディアを詰め込みすぎて収集がつかなくなったり、ギチギチの構成になりがちなところを、この作品はうまーく13話の中に話を折りたたみ、収めてくれている。しかも最後の一話で、構成の最後として欠かすことの出来ない後日談まで含めてくれる余裕。
このアニメの主軸である、20個近くもあるジュエルシードの回収というストーリーラインは、本来ならそれだけで13話を軽く超える構成になるはずだ。だが、このアニメでは大胆にもそれらの回収のうち半分以上はバッサリと「話と話の間に手に入れました」や
「敵が手に入れてました」でさっ飛ばすしているのだ。そこが多少の不満感の元になっていることは
否定できないが、それによって得た余裕あるストーリーの組み立て枠は、その不満感を帳消しにして有り余るだけの、計算された展開を可能としてくれている。
魔法少女ものとは思えない熱いバトルシーンとは裏腹に、ストーリー全体の構成は、非常に冷静な計算のもとで作ってあることを感じさせる構成だったと言えよう。ただしその冷静さによって、「突き抜けた」面白さというのをスポイルしてしまっている可能性があるのが残念だ。まあ、このアニメはそれを追うリスクとリターンを捨てることにより、高水準な展開を取るという選択している。これもまた、十分に納得できる選択だと言えよう。


上ではベタ誉めしているが、ご都合主義的な展開は結構ある。特に何の説明もなく子供の魔導師が高い地位にあるあたりは意味がわからない。街中で尋常じゃない大規模不可解現象が起きてもご町内は全く気にせずに日常生活を送っているし。あと、最初にユーノがレイジングハートを持っているあたりも無理がありすぎである。あんたの結界魔法には魔法のデバイス必要無いじゃん。


ちなみに、原作は『とらいあんぐるハート』というギャルゲーのおまけシナリオらしい。
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