北野勇作「どーなつ」

http://www.jali.or.jp/ktn/hakoniwa/
「クラゲの海に浮かぶ舟」と同じ作者の散文SF。
電気熊・上方落語言葉・火星・アメフラシ・脳・異星人。……人工知熊。
この作家の作品は、一般的に言う物語とは言えない。絵画に例えて言うならば風景・静物画に対する抽象画・ピカソの絵のような質感とでも言うべきものだろうか。彼の描く世界は焦点の合わない不思議な感覚を引き起こす断片で満ちている。
然り。何が描かれているのかをはっきりとそこから読み取ることが出来ない。
それでも、作品全体からは人を惹きつける何かを放っている。
そんな、不思議な作品。


彼の作品に西島大介の挿絵というのはベストマッチだ。
http://www.simasima.jp/illustration.html