海を割る奇跡で有名なモーゼがエジプトで奴隷にされていた一族を開放する章。
とは言っても、エジプトを出た後で神から言い渡された「モーゼの十戒」の戒律や、神殿の決まりごとなどを事細かに記述している文章量がその多くを占めている。
モーゼがパロに一族を開放するように頼むシーンのノリは吉本新喜劇に近く、ツッコミ待ちをしているようにしか思えない。キリスト教は聖書を聖なる書としているのでここに無理やり正義を見出そうとしているが、何も知らない目から見るとこれはただのエンターテインメント演出に見える。
私(主)はあなた(モーゼ)を神のごときものにしてやろう ↓ しかし私がパロ(エジプト王)の心の頑なにさせて、それでもパロは言うことは聞かないようにする ↓ そこで私は大いなる裁きを下す ↓ これにより、エジプト人は私が主であることを知ることになるだろう
……このコンボである。
あとさらっと流されているが、杖を蛇に変えるという微妙な奇跡はともかく、ナイル川の水を血に変えたり、国を蛙で埋め尽くす奇跡まで「そんなの神でなくても出来るぞ」と同じことをやってのけてみせたエジプト魔術師は何者なんだ。