6000万円相当のビットコインをマイナーに支払う「Save The Chain」の何が問題なのか

http://btcnews.jp/3um3ddgd11320/

概要

SaveTheChainという名前のユーザが、金銭のやりとりをほぼゼロなのに手数料6000万円相当に設定した取引を作成した。手数料はマイナーに支払われるため、これはマイナーに6000万円相当のビットコインを渡すということを意味する。
これはマイナーに対する「寄付」という名目で行われたが、実際にはビットコイン全体のシステムに対して悪影響を与える行為である。

悪影響とは何か

大きくわけて、2つある。
1つ目は……。
この「手数料6000万円相当の取引」はサイズが大きいため、1ブロックのサイズ上限を引き上げることに同意して取引を含んだブロックを生成しなければ、マイナーがこの6000万円を受け取ることはできない。つまり、6000万円という金額で仕様を誘導している。
2つ目は……。
各マイナーはこの「手数料6000万円相当の取引」を取り込んだブロックを生成できたかどうかで、極端に得られる利益に差が発生する。よって最も長いチェーンを正とするという原則ルールを無視してでも、自分が「手数料6000万円相当の取引」を取り込むことに成功したチェーンを正とするべきインセンティブが発生する。
これはチェーンのハードフォークを誘発する。

これを、どのように理解すべきか

これは6000万円を使って行われた、ビットコインの価値を落とすための工作ではないかと思う。
本当にマイナーへの寄付を行いたいのであれば通常の採掘で得られるBTCより低い価値の手数料を含む取引を継続的に投入すればよいだけである。