新約聖書

読了。
旧約は2016年から、新約は2018年からコツコツ読んできた聖書をやっと最後まで読み切った。
新約聖書は全体の構成として、以下のような構成になっている。
・キリストが活躍する福音書(複数著者によるものがいくつかある)
・多くの手紙を残した布教者パウロキリスト教徒になった前後を描く使徒行伝
・布教やその他の目的で書かれた手紙シリーズ
・終末を描くヨハネの黙示録
旧約で言うと創世記のように聖書といえばこれというエピソードで満たされている福音書、とても派手な展開をしてゲームや漫画で取り入れられていることが多いヨハネの黙示録は印象的。
使徒行伝はまあ後世のキリスト教史には重要なんだろうが、上記にくらべると少し地味だった。
手紙シリーズは布教の文句がずらずら書かれているだけなので、読むのをスキップしても問題ない気がする。



全体的なテーマとして、敵対する信仰がまったく別の宗教であった旧約聖書に比べて、新約聖書で敵対している信仰は、古く凝り固まったユダヤ教、にせ預言者の教えなど、「キリスト」教ではない宗派になっており、それに対してキリストを頂点に置くキリスト教を広めてやる、というものを感じる。
そしてあくまで超常的な神を頂点に据えていた旧約聖書と違い、キリストという人物と彼の弟子である実在人物を中心に据えた新興宗教的な匂いのするものに思えた。……というか知らなかっただけで、新興宗教側がキリスト教のフォーマットを使っているからそう思うだけなんだろうけど。
ただ教えを実際に布教するパウロと違い、キリストは超人に描かれすぎている感じはあるが。
また、これこれしなさい、これはやっちゃ駄目だよと直接的に教義を書いていた旧約聖書に比べるとキリストを信じよといった教義ではなく、宗教自体を上に置くようにしている傾向があるように思う。