新約聖書 ヘブル人への手紙

読了。
この部は「XXからヘブル人へ~」のような記述がなく、誰が書いたか不明とされている。
パウロかもしれないし、そうではないかもしれない)
手紙の宛先であるヘブル人は、ヘブライ人=ユダヤ人のこと。
基本的にはこれまでの手紙と同じく、古い教えよりキリストを正としろということが書かれるが、特に旧約聖書の出来事を引用しての教えが多いことが特徴的な部。



旧約聖書の古い契約では毎年いけにえの動物を捧げることで人々が清められるとしていたが、キリスト以降の新しい契約ではキリストが自らの死と復活によって自身を1度だけ生贄に捧げたことで人々は永遠に清められたする主張が書かれているが、これはなんかロジックとして破綻してないか?
この世から苦しみが無くなる事はないので、毎年いけにえを捧げ続けろってのは判る。しかしキリストの死によって信徒が清められたと主張するなら、なぜ信徒がまだ苦しみを味わっているのかって話になる気がする。一応アンサーとして「主は愛する者を訓練し、~」(12章6節)とはあるが、結局苦しみは古い契約の頃と変わらず存在するのだからこのアンサーは詭弁に思える。