視聴。
夢の中に入って他人のアイデアを盗む(エクストラクト)、または思考を植え付ける(インセプション)ことを生業にした男を主人公とした映画。
単にAがBの夢に入るというだけでなく、夢を見ている担当、夢の世界設定を構築する担当、対象と自身の夢をつなぐ薬の担当などの準備が必要で、さらに夢の中の夢といった多層構造も利用するロジカルな設定も面白い。
また夢は1階層上の現実に影響を受けるので、カーチェイスの車の中で夢を見ている場合は重力方向が車が走るのに合わせて変わったりと映像的にも面白い効果を作り出している。
だがそれは舞台設定を整えるための前提にすぎず、主題は「これは本当に現実か」をあいまいにするeXistenZに近い作品だった。
テネットと同じ監督のクリストファー・ノーランが手掛けており、全体的なテイスト、テーマ性にはTENNETとの共通性が見られる。
解釈の難易度がテネットよりもエンターテインメントとして丁度よく、名作といえる作品だと思う。
あと同じスパイ映画007シリーズに強く影響を受けているからかもしれないが、各所にメタルギアソリッドっぽい場面がある。