-less

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クリスマスイブ。親戚の家へと向かうべく夜道を走っていたはずが、どこまで走っても抜けられない、なにか異様な世界へと入ってしまうホラー映画。
wishで書いたときは「-less」というのはサスペンス・スリラーということだったが、これはかなり純粋なホラーである。闇を恐れるがごとき未知への恐怖と、それによって狂気へと傾いた精神に対する恐怖の2面から、恐怖を表現している。
最近のホラーには通常、ミステリ的やSF的な解答が用意されているのが常であるが、-lessはそういったものを取り払って、純粋に恐怖を味わうためのみに作られているように感じる。言うならば、アラン・ポーやH・P・ラブクラフトに近い作風なのだ。
グロテクスな表現もあえて控えているあたり、安易な嫌悪感で恐怖させる道へ逃げない製作者のこだわりが見える。
とても良い作品です。
ちなみに、原題は「Dead End」なんだけれども、邦題の「-less」の方がセンスが数段上だと思う。
以下、ちょっとしたことなんだけれども、これから見る人は知らないで見て欲しいというネタばれ。
エンディングにて、劇中の恐怖とパニックを演出する小道具かと思っていたメモ用紙に、大感動させられた。

終わったら、したいこと
1.アタリを買う
2.最高のおじいちゃんになる



ちなみにアタリってのは、アメリカのメーカが初代ファミコン以前に発売したゲーム機のことなんだけど、日本の一般人には理解できないんじゃないかなあ……。
いや、そーいう知識のある私は、雰囲気がうまく伝わって、よかったんだけどね。