大西科学「ジョン平と去っていった猫」

http://d.hatena.ne.jp/asin/4797339128
大西科学(ジャッキー大西)さんの、ジョン平シリーズ第二段である。
前作を発表したのが9月だからかなり早い執筆ペースだと言える。大西科学(サイト)でも雑文も発表しつづけているので、結構忙しかったのではなかろうか。
今回は前作に比べて、長い形式の物語に大西さんが慣れてきているという感じを受けた。前作では、やはり雑文ベースの人なんだなあ、という感想を抱いたのだが、今作はそのあたりの不自然さが消え、大西さん独自の語り口が良い意味で目立った形の作品に仕上がっている。
今後も続いていきそうなストーリーなだけに、この先が楽しみだ。
ちなみに今回は切なさ成分も設定と整合性のあるまま、しっかり入っている。


でも、使い魔ジョン平の主人「ぼく」こと北見重は、あんまり戦闘で活躍して欲しくは無いなあ。
私としては第一巻の発売時に企画として発売元サイトで公開されていた
「ジョン平と一つの指輪」のような日常生活のちょっとした事件を描いて
欲しかったんだけど。……いまのままだと、そのうち敵研究所に突撃しそうな勢いである。


あと、イラストを書いている銀八には悪いけれどこのイラストは、後に見ると死にたくなる系統のイラストではいだろうか。確かに独自の絵柄で成熟すればいい描き手になりそうな感じなのだが、現在はまだ成熟過程という感じの絵だ。
とくに動物!
使い魔物語と言っても差し支えが無いジョン平なのだから、もっと骨格からちゃんと書いてくれ、と思う。