支倉凍砂「マグダラで眠れ」

読了。
狼と香辛料」シリーズの支倉凍砂が描く新シリーズ。中世の化学者であり冶金の研究者でもあった錬金術士を主人公として描く作品。初期のロレンスがそうであったように、今作の主人公であるクースラも本当は手段であるはずのこと(ロレンスは金儲け、クースラは剣を造る)を目的だと盲信している男だという点が面白い。
文章も高水準でラノベレーベルで出てるのが不思議なハード・ファンタジーだ。
ただ、物語の導入位置にある巻だからなのか、読了後の満足度がちょっと足りない。今後が楽しみなシリーズではある。



フェネシスの言葉によって、鉛が黄金に変わる瞬間を味わわせてくれるシーンが秀逸。

イラストが文章のイメージに合ってない気がしてならない。とくにクースラはもっとやる気無さそうな顔かと思う。